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2008年1月28日 (月)

脳科学の限界3(データと理論)

前回は、脳科学のデータ(実験)は「脳の構造」と「心の変化」の関係を見るもので、「仕組み」を明らかにするものではない・・・という話でした。今回は、実験では分からない「仕組み」を、脳科学の理論に着目してイメージしようと思います。

<実験と理論>

およそ、科学は、データ理論の組み合わせで、その外形が成り立っています。その中で、理論(学問・学説・仮説・推論・考察など)は、主に、散在するデータ(実験・観測・数値など)をつなぎ合わせる役割を担っています。(ちなみに、データが無ければ理論はできないし、理論が無ければデータに意味はありません。)

          Rironn01

一方、脳科学において欲しい理論は、「脳の構造」と「心の変化」をつなぐ「仕組み」です。

          Riron02

そこで、脳科学者といわれる人たちが利用している「仕組み」に関する理論をまとめてみます。

① コンピュータ型理論

脳は、コンピュータと、見た目(「回路であること」、「動き」など)が似ています。このことから、「脳は不完全なコンピュータである」という仮説が、どこからとも無く発生します。  ところが、コンピュータ回路ニューロ回路は仕組みが全く違います。よって、この理論は、直接的に「人間」と「ロボット」をつなぐことができないという致命的な欠陥があります。  それでも、この理論は、「回路を複雑にすれば、そのうち心が誕生する・・・」と考える秋葉系の人から絶対的な信仰を受けています。

② ニューロコンピュータ理論

このタイプは、上記①の欠点を克服するために、「ニューロンを真似したコンピュータを研究しよう!」というものです。  ところが、ニューロ回路は、回路が拡散してしまうために、理論として扱いづらいという欠点があります。それだけに、今ひとつポピュラーになれない理論だと思われます。

③ ニューロ回路型理論

一方、理論②のように無機物でニューロンを真似するよりも、「直接ニューロンを見た方が速い」ということに気がついたのが、このタイプです。  しかし、定まった理論が無いため、全体像の見えない、その場限りの部分論になるのが最大の欠点です。どちらかというと、玄人の娯楽的要素の強い分野だと思われます。  ただし、優れた専門家が多くいることから、「この人たちなら何かやってくれるかも・・・」という楽観的な信頼を集めているようです。

④ 「脳の地図」理論

進化論型の脳構造が発展したもので、「心の状態」と「脳の場所(-野、-核、コラム、神経、脳内物質)」を特定する方法です。例えば、「色の場所」、「形の場所」、「記憶力の神経」、「快感の物質」・・・などがあります。そして、これらの基本単位が組み合わされることで、複雑な心が生み出される・・・と考えられています。  とても分かりやすいため、玄人から素人まで、幅広い範囲で受け入れられている理論です。  ただし、「快感」、「感情」、「意思」なども、場所として説明されるため、一番知りたいことが全く分からないという欠点があります。また、基本単位の組み合わせ方は不明で、①~③の理論に頼っているので、大きな疑問と不満を残します。

⑤ 「脳の設計図」理論

このブログの理論です。「脳の場所」を固定するのではなく、「ニューロンで可能な範囲内での記憶の組み合わせ」が固定されていることに特徴があります。ほぼすべての悩みが解消されるはずですが、知っている人が少ないので、人に話しても理解してもらえないという悲しい現実があります・・・。(ハア~。)

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